サインは確認を行ってから

賃貸住宅に入居するときには、まずその建物の管理者と契約書を交わすことになります。
社会人であっても普段から契約書の取り交わしにあまり慣れていない人もいますから、あらためて固い文面で書類を見せられても今ひとつ内容がよくわからないこともあります。
ですが、わかりにくい文面だからといって内容もろくに見ないうちに書面にサインしてしまうというのは大変危険です。
契約書というのは特別に公序良俗に違反する事項がない限り、基本的にその内容の通りに金銭取引が行われることを示すものです。
つまり内容に明らかな不公平な内容が記載されていたとしても、それについてよく理解していなかったということを後から申し出てもサインが正式にしてあれば契約書としては有効として扱われます。
意図的に契約者を騙そうとする悪質な不動産業者は決して多くはないのですが、それでも知らずに契約をしてあとから「そんな馬鹿な!」と思わないため、まずはしっかりと納得をした上で契約をするようにしてください。

賃貸契約をするときの大まかな流れとしては、まず不動産業者など仲介者を通して物件を確認し、その中で入居を希望する物件や部屋を確定させます。
決まった部屋についてまず入居を申し込む簡単な書面を作成するとともに、予約金として少額の金額を先に預り金として支払います。
このときにはあくまでも物件をおさえるためのお金であるため、もし別に気に入った物件を見つけたという場合にはキャンセルをすることができます。
その後申込内容に従い、不動産業者は入居を希望する人について簡単な調査を行うとともに入居をするためのスケジュールを決定します。
その際保証人を決めてサインをもらったり、印鑑証明書などの書類を用意してもらうことを求められたりします。

審査の次

無事に審査が通ったらいよいよ契約となります。
不動産物件については契約前に「重要事項説明書」として法律上定められる注意事項を資格所持者から説明を受けることとなっています。
説明を受けたあとには内容を確認して契約者同士が納得をしたら同じ内容の契約書二通にそれぞれ契約者が署名捺印をしてお互いに一通ずつ保管することとなります。
契約を急いでいるとついよく読まないうちにすぐ署名をしてしまいますが、できることならすぐにその場で契約をせず一旦は自宅に持ち帰るなどしてそこでじっくり内容を確認してから署名をするようにしましょう。

特に契約書で注意しておくべきポイントととしては、まず退去をするときにはどのように敷金などを精算するかということです。
敷金は入居前に賃料の1~2ヶ月程度を支払うものですが、入居中に室内の破損が起きたような場合にはその金額から修理費を差し引いて返還されることになります。
契約内容によってはハウスクリーニング代にあてられたり、家賃が滞納した場合の穴埋め資金になったりします。
他にも入居中に何らかの設備不良が起きた時の修理義務についても記載があるはずなので、そうした細かい点にも注意しながら書面を読み込んでみてください。